中国海南島で起きている異常事態 マンション価格3年で百倍以上(J-CASTニュース)

 中国南方都市海南で異常な不動産インフレが進行中だ。中東ドバイでかつて起きた高騰ぶりを上回るかのようだ。

 「我々は10日ごとに住宅販売価格を5000元(1元は14円)ずつ引き上げている」。海に面する三亜金中海マンションを販売する企業の担当者はこう明かす。

■マンション価格10日ごとに5000元引き上げる

 1980年代の起業ブームに乗れず、90年代にもチャンスを逃した魏海明さん(56)は、2007年に海南省で海に面する別荘を2軒買った。

  「ほんとうに二束三文だった。海南は1993年に土地バブルがあり、それが崩壊してから十数年もだれも住宅を買わなかった。僕は定年前に貯めた金で2軒の別荘を買った」

と振り返る。

 3年たった現在、魏さんの買った別荘は、1軒500万元の価値があり、入手時の価格の百倍は遥かに超えた。2009年に定年になった魏さんは、成功した友人のだれよりも「今は超金持ち気分」(魏)だそうだ。

 「我々の販売方法は、極めて簡単。10日ごとに5000元を引き上げるだけだ」海南の三亜金中海マンションを販売する担当員はこともなげに言う。

 一人当たりのGDPが中国平均よりずっと低い海南島では、2009年に全体で販売できる住宅は600万平米メートル、高く見積もっても600億元くらいだった。

 しかし、海南を観光都市にするという海南観光振興政策が打ち出されると、いきなり全土から数千億元の金が投資のために殺到した。ここ数カ月で住宅価格が倍ではなく、数倍にふくれあがったのもこれが原因だと思われる。

 建設したマンションを数年がかりで売るつもりで、販売会社は100万元を投じてモデルルーム兼販売事務所を作った。しかし、一ヶ月も立たずに住宅は完売、「モデルルームなんて、ほんとうにもったいなかった」と販売会社の社長は嘆く。

■中国内ではバブルという声はあまり聞こえない

 「戦争時は政府は銃、市民は金(ゴールド)。平和時には政府は金、市民は住宅」ということわざが中国にある。毛沢東時代は、住宅はあまり作られなかった。改革開放で工場はできたが、住宅は後回し。住宅が雨後タケノコのように現れたのは、ここ数年のことである。やっと市民が住宅を買える時期がきた、というわけだ。

 清華大学の孫立平教授は、「2009年に世界で建てた住宅の半分は中国にある。金額だと約6兆元で、政府の経済刺激政策として出された4兆元を遥かに上回っている」と住宅建設の規模の大きさを強調し、その役割は政府の景気刺激政策よりも重要だと説く。

 もっとも、孫教授の話しの中には「バブル」という言葉は一度も出てこない。

 海南島での異様な高騰ぶりにも、バブルという声はあまり聞こえない。1980年代の終り頃から90年代初頭の日本は、バブルの最中だったが、バブルという言葉は聞こえなかった。バブルは事後になって分かる現象なのかもしれない。

 「一業が成長すると、その他の産業にも波及していくと期待したい」と孫教授はいう。本当にそうなるかどうか。中国の土地ブームからしばらく目が離せない。

(J―CAST北京)


■関連記事
グーグルの中国撤退示唆 一番の理由は「経営不振」 : 2010/01/18
トヨタ・レクサス中国で完敗 現地化に立ち遅れたツケ : 2010/01/13
中国の若者「最も好きな国は日本」 新聞の世論調査で意外な結果 : 2010/01/08
ギャルからの重要なお知らせ 「ホワイトデーはなくなりました」 : 2010/02/19
中国家電王が語る 「黄金時代」と自信 : 2009/10/01

なぜ真冬に刺す蚊がいるの? 産卵期の雌だけじゃ…(産経新聞)
<道海面漁業調整規則違反>14隻の通信装置“2時間空白”(毎日新聞)
北教組事件で自民・義家議員らが現地調査「偏向教育のため議席買う」(産経新聞)
菅副総理「民主政調の復活、改めて議論する時」(読売新聞)
<五輪スノーボード>国母も決勝へ 男子ハーフパイプ(毎日新聞)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。